なぜバレエをやっている人を、新体操やフィギュアスケートの選手と比べるの?

「バレエ」と「芸術スポーツ」は、全く別のもの

世の中には、評価の基準が全く違うものを、素人目に似ている部分があるからといって同列に並べて比較し、ランク分けをしたがる人たちがいるようです。

私がよく遭遇したのは、バレエをやっている私を器械体操や新体操、フィギュアスケートの選手などと比べて
「お前はレベルが低い」

と決めつけてくる人たち。

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バレエと、器械体操・新体操・またフィギュアスケートなどの「芸術スポーツ」は、それぞれまったく別のものです。

にもかかわらず、彼らは私に
「浅田真央ちゃんは指先の動きがバレエ的できれいなのに、お前は動きが固いからレベルが全然違うな」
「私の友達で器械体操部や新体操部の子がいるけど、あんたより身体が柔らかいよ。レベルが全然違うよ」
といった批判の仕方をしてきました。

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しかし、たとえば器械体操や新体操で脚を上げる動きがあったとしても、その上げ方はバレエとは違うのです。

バレエでは基礎のバーレッスンの段階から
「なるべく出した足に身体を持っていかれないこと」
「腰を傾けて脚を高く上げてはダメ!」

ということを、徹底的に意識させられます。

器械体操や新体操には、そういった決まりはありません。
そのため、結果的に「見た目では」バレエより脚を高く上げることが可能となります。

それを見て
「新体操やってるあの子は、バレエをやってるあなたより脚が上がっているから、レベルが高い」
と言うのは、サッカーの長友選手に
「野球のイチローは、サッカーやってるあなたよりレベルが高い。あなたは大したことないね」
と言っているようなもの。

正直、まったく意味がわからない行動です。

保護者のいい加減な認識で、生徒にも影響が!

また、以前招待されたダンススクールのバレエの発表会で、病的なほどガリガリに痩せて脚が長い先生を見ました。

バレエを分かっていない素人が見たら
「これがバレリーナらしい体型なのね」
と勘違いするかもしれないその先生、踊りはというと…上手い・下手以前に、およそ「バレエ」とは呼べないものでした。

「新体操でオリンピック強化選手に選ばれた経歴がある」
というその先生は、動きが
「これがバレエ」
とはとても思えないだけでなく、舞台上でのマナーもなっていませんでした。

「えっ?バレエの先生なのに、『レベランス(バレエのおじぎ)』のやり方を知らないの!?」
「舞台上からはけるときに、腕組みしてベタ足で普通に歩くの?一応、先生でしょ?」

というレベルで、かなり衝撃的でした。

先生自身も、それを自覚していたのでしょう。
ゲネプロで彼女が大人の生徒さんと一緒に踊る時に
「緞帳を下ろしてください!」
という指示がありました。

最初は初舞台の生徒さんが緊張しないための措置かと思いましたが、実際はその先生自身の踊りをあまり見せたくなかっただけのようです。

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バレエを指導するためのテクニックが、バレリーナとして踊るためのテクニックとはまったく違うのは事実です。

でも、あまりにもバレエの基本を知らない上に、バレエの動きからもかけ離れ、ただガリガリに痩せているだけの人が「バレエの先生らしい」と評価され、保護者の方が子供を任せてしまう現実は、いかがなものでしょう。

こういったことが起こるのも、一般人の間に
「バレエも器械体操も新体操も、同じでしょ?」
という「いい加減すぎる認識」しかないからです。

お子さんが将来
「バレエ留学したい」
「プロのバレリーナになりたい」
と希望した時に、バレエの基本を分かっていない先生にしか習ったことがなかったら、困るのはお子さん本人です。

バレエの先生の採用の際には、その先生の見た目が細いかどうかやバレリーナとしての経歴、コンクールの受賞歴以上に
「きちんとしたバレエ教室でバレエを学んできたか」
が重要なのではないでしょうか?

 

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